お薬のかたち(剤形)~内用薬編

こんにちは。北浦和 みどりの薬局の管理薬剤師 緑川です。
みなさまに知っていただきたい「お薬のきほん」第2弾!今回はお薬の形状(剤形)についてご紹介していきたいと思います。
お薬にはそれぞれの用途や目的に合わせて様々な形があります。内用薬と外用薬に分けて順番にご説明いたします。
◆内用薬・・・口からのみ込み、消化器(胃や小腸など)で溶けて吸収される薬
1.錠剤(タブレット剤)
薬物にデンプンなどの賦形剤や結合剤などを加えて圧縮し、板状や球状にした薬剤です。携行しやすく、比較的長期保管できるのが特徴です。
錠剤のなかにも様々な種類があります。
『徐放錠』・・・薬が少しずつ溶けていくことで長時間薬の効果が持続します。
『舌下錠』・・・舌の下に薬を入れ唾液で溶かし、口腔粘膜から体内に吸収させます。
『チュアブル錠』・・・かみ砕いて唾液で溶かして飲みます。
『口腔内崩壊錠(OD錠)』・・・唾液程度の少量の水で溶けるため水なしで服用できます。
口腔内崩壊錠(OD錠)は薬を飲み込むことが困難な方や苦手な方におすすめです。お薬によってOD錠があるもの・ないものがありますので、OD錠をご希望の方は医師・薬剤師にご相談ください。
2.カプセル剤
薬物をゼラチンでできた筒状の容器に詰めたものです。
粉末の薬物を入れた「硬カプセル(ハードカプセル)」と、液状の薬物を入れた「軟カプセル(ソフトカプセル)」の2種類があります。カプセルで包まれているため薬物のにおいや味を感じにくいというメリットがある一方、口の中で水に浮くため飲みにくいと感じる方もいらっしゃいます。
3.散剤(粉薬)
粉末状の薬剤で、いわゆる粉薬のことです。
錠剤やカプセル剤に比べて早く体内に吸収されるため、薬の効果が早く現れることも期待できます。量の調整がしやすいので、患者さんの症状や体重に合わせた処方ができます。
4.顆粒剤
散剤よりも粒が大きく、粒子の大きさが揃っている薬剤のことを指します。
散剤よりも粒子が大きいため飛散する心配が少なく飲みやすいのが特徴です。また顆粒剤のなかには、表面にコーティングが施され、薬が溶け出す時間を調節したり、服用しやすいにおいや味に作られたりしているものもあります。
5.細粒剤
細かい粒状の薬剤のことを指します。粒子は散剤より大きく、顆粒剤より小さいです。
粒子の大きさは、散剤 < 細粒剤 < 顆粒剤 の順に大きくなります。
以上、内用薬の剤形ついてご紹介しました。同じ成分でも様々な形状があるのは、それぞれの用途に応じて薬の効果を十分に発揮させるためなのです。もし飲みにくい剤形があれば、処方医に相談することで剤形の変更が可能なこともありますので、お気軽に薬剤師へご相談ください。
次回は外用薬のお薬の剤形についてご紹介したいと思います。